正疑の味方 サリンジャー
TCT
彼の名はサリンジャー。一応、正義の味方である。
悪を倒し、市民を守っているらしい。
これは、そんな彼の活躍を記した物語である。
ここはとある空き地。周りには誰もいない。
その中に一人のおじいさんと、それを囲む3人の男がいた。
不良A「おらーっ、金出せ!」
老人 「痛い、痛い。頼むからやめてくれ!」
不良B「じゃあ金出せや。え?」
老人 「持ってない、持ってない。」
不良C「ウソつけ! 金出さなんだらフクロにするぞ!」
???「こらーっ! 何をしている!」
そこに現れたのは、全身を銀色のスーツで覆われた、いかにもヒーローっぽい男だった。
サリンジャー(以下サ)「おい、乱暴はやめろ!」
老人「助けてくれ!」
A「なんだなんだ、変な奴が来たぞ。」
B「おいこら、お前、何の用だ。」
サ「そのおばあさんを放せ!」
C「なんでおばあさんやねん! おじいさんやろ!」
サ「そんな事どうでもいい! とにかく、そのおじいさんを放せ!」
A「お前、ええ度胸してんな。おい、やっちまえ!」
BとC「おう!」
すると、サリンジャーは、波動拳のかまえをとった。
サ「サ動拳!」
そしてサリンジャーの手から衝撃波が発射され、不良B、Cは数メートル吹っ飛んだ。
A「お、お前、何者だ!」
サ「私の名はサリンジャー。悪を倒し、市民を救う。」
A「何カッコつけとんじゃ! それにこっちにはこういうもんがあるんや。」
不良Aは、懐からナイフを取り出した。
A「死ね!」
サ「サリン・ソード!」
サリンジャーは、まるで「ス○ー・ウォーズ」のように、手から光り輝く剣を出した。そしてその剣で不良Aのナイフをたたき落とした。
A「ぐわっ!」
サ「とどめだ! サリン・クラッシュ!」
サリンジャーは、口から毒ガスを出した。
不良たち「ぐわっ!」
不良たちは、苦しみながら倒れた。
サ「どうだ! 悪は必ず滅ぶ! まいったか!」
しかし、不良たちは死んでいるので何も答えない。
サ 「さあ、おじいさん、もう安心です。・・・あれ、おじいさん?」
老人「・・・・・・・・。」
おじいさんは、死んでいた。サリンジャーの毒ガス攻撃でやられたのだ。
しかし、サリンジャーはこう考えた。
サ「私は、罪のない人間を一人、殺してしまった。しかし、悪人を3人も倒した。だから・・・・まぁ、いいか。」
サリンジャーは、勝手に都合のいい解釈をすると、はやてのように去っていった。
〜第1話 完〜
ここは、某地下鉄M線。
発車のベルが鳴る。そこに駆け込んでくる一人の青年。
青年は間一髪で電車に間に合った。
しかし、運悪く、その車両にはサリンジャーがいた。
サリンジャー(以下サ)「おい! そこの君、今駆け込み乗車をしただろう!」
青年「いきなり何や。駆け込み乗車くらいみんなやってるがな。」
サ 「いや、だめだ。 ここにも書いてあるだろう!『駆け込み乗車は やめましょう』と。」
青年「はいはい、分かった。反省する。それにしてもお前は何だ?」
サ 「私の名は、サリンジャー。悪を倒し、市民を守る。
さあ、そこの悪人よ、おとなしく成敗されるがいい。」
青年「おい、何でオレが悪人やねん。」
サ 「駆け込み乗車をした。」
青年「だから謝ったやろ。」
サ 「問答無用!」
青年「おい! ちょっと!」
サ 「口応えするな、サ動拳!」
青年は、数メートル吹っ飛んだ。
青年「痛いな、何すんねん。」
サ 「悪事の報いだ。」
青年「だから謝ったやろ。」
サ 「まだ口応えするのか、サメハメ波!」
青年は、さらに数メートル吹っ飛んだ。青年の体は、電車のカベに当たり、電車のカベはへこんでしまった。
サ 「どうだ。悪人よ、まいったか。」
青年「だからオレは悪人やないって。それに見てみい、電車がへこんだやないか。どないするつもりやねん。」
サ 「その穴か・・・・・、お前が悪い。」
青年「なんでやねん。」
サ 「お前が吹っ飛ぶから悪い。」
青年「たまらんなぁ。」
サ 「悪は成敗してやる。注射針アタック!」
サリンジャーは、口から注射針を飛ばした。
青年は、間一髪でよけた。
青年「危ないなあ、もうちょっとで当たるとこやったで。」
サ 「くそっ、なかなかしぶとい奴だ。仕方がない、あれを使うか。」
青年「おい! 今度は何する気や!」
サ 「サリン・クラッシュ!」
サリンジャーは、口から毒ガスを吐き出した。
青年「うっ・・・、苦しい・・・・」
青年はもがき苦しみ、倒れた。
しかし、ここは地下鉄の中である。乗客もいる。
乗客たち「うっ・・・、苦しい・・・・(バタッ)」
サ 「ハッハッハ、悪は必ず滅ぶ! まいったか!」
地下鉄の中は、墓場と化していた。
その車両にいた人は全員死んでいた。
サリンジャーは車外に出ると、はやてのように線路上を駆けていった。
その後、「第2の地下鉄サリン事件」として、このことがニュースで流れたのは、言うまでもない。
〜第2話 完〜
とある寂しい裏通り。
そこを歩いている、一人の少女。
彼女は、某有名私立小学校に通う、2年生だった。
その後ろに忍び寄る影。
その影は、少女の様子をうかがっていたが、あるときいきなり少女に飛びかかった。
少女から吐き出される小さな悲鳴。
その影が少女の服に手をかけた途端、声が響きわたった。
??? 「こらーっ! 何をしている!」
怪しい影「くそっ! 誰だ!」
そこに現れたのは、全身を銀色のスーツで覆われた、いかにもヒーローっぽい男だった。
サリンジャー(以下サ)
「こんな、か弱い少女を襲うとは、なんという極悪非道。私が死刑にしてやる!」
怪しい男「お願いだ! せめてこの子と楽しんでから・・・・」
しかし、サリンジャーが認めるはずがない。
サ「ダメだ! 13歳以下との性交は法律で禁じられている!」
男「それぐらい見逃して?」
サ「私はそんなに甘くない! とにかく、悪は成敗してやる。サ動拳!」
するとサリンジャーの手から衝撃波が発射され、怪しい男に当たる・・・・はずだったが、狙いは外れて、少女に当たった。
少女「きゃっ!」
サ 「少女を盾にするとは、なんという奴だ!」
男 「ちょっと待った! 盾にした覚えはない!」
サ 「そんな言い逃れが通じるか! 鼻からビーム!」
サリンジャーは、狙いを定めて、怪しい男にビームを当てた・・・・ハズだったが、それも少女に当たった。
少女「いたいよう。」
サ 「クソッ! また少女を盾にしたな!」
男 「だから俺は盾にしてないって。」
実際、サリンジャーの狙いが下手なだけなのだ。
しかし、サリンジャーはそう思いたくないので、怪しい男のせいにした。
サ 「また言い逃れるか! BB弾連射アタック!」
サリンジャーは、口から、超高速でBB弾を連射した。
しかし、またもや狙いは外れ、それら15発のBB弾は、全て少女に命中した。
可哀想に、少女は泣き出してしまった。
サリンジャーは、明らかに自分の射撃ミスだと思ったが、それを無理矢理に否定した。
サ 「また少女を盾にしたな! 許さん!」
サリンジャーは、すごい形相で、怪しい男を睨んだ。
怪しい男は、その剣幕に押され、逃げ出した。
結局サリンジャーは、怪しい男に一撃も与えないままに、少女を救った。
サ 「ふーっ。射撃ミスだと思われなくて良かった・・・・」
サリンジャーは、気がゆるみ始めた。
サ 「それにしてもこの子、結構可愛いなぁ。まあ、悪人から救ってやったんだし、ちょっとぐらい手荒な事をしても・・・・・」
サリンジャーは、ロリ趣味を持っていた。
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サ 「まあ、礼はこれぐらいでいいだろう。」
サリンジャーは、少し微笑むと、はやてのように去っていった。
そこには、変わり果てた少女の遺体が、置き去りにされていた。‥‥って、殺すなよ。
〜第3話 完〜
ここは某あ○こ筋。
一万円札が落ちている。それを見つける一人の青年。
青年「おっ、一万円札やないか。もらっとこ。」
しかし運悪く、サリンジャーに見つかってしまった。
サリンジャー(以下サ)「ピーッ! ネコババの現行犯で処罰する!」
青年「うわーっ! 何やねん、あんたは。」
サ 「私は正義の味方、サリンジャー。悪を倒し、市民を守る。」
青年「何か変な奴が来たぞ、おい、それぐらい見逃せや。」
サ 「何を言うか、悪人め。少しは反省しろ、サ動拳!」
すると、サリンジャーの手から、衝撃波が発射された。
青年「うわあ!(2メートル程吹っ飛ぶ)」
サ 「どうだ、まいったか。」
青年「よくもやったな!(殴りかかる)」
サ 「なんだ、まだ反省していないのか。自衛隊アタック!」
サリンジャーは、手榴弾を投げた。それは、青年の右腕に命中した。
手榴弾「ドカーン」
青年 「うわあ!(数メートル吹っ飛ぶ)いててて・・・・」
青年は、血まみれになった。右腕が吹っ飛んでいる。
サ「どうだ! ネコババの罪は重いことが分かったか!」
しかし、青年はなおも反抗を続ける。
青年「なにすんねん、よくもやったな!」
しかし、ケガがひどくて攻撃できない。
サ「改心しろ! 洗脳アタック!」
サリンジャーは、胸に付いているスピーカーから、怪音波を発した。
修行するぞ修行するぞ修行するぞ修行するぞ修行するぞ修行するぞ修行するぞ・・・・
青年「おい、やめてくれ! 頭がおかしくなる!」
サ 「まだまだ、バタフライ・アタック!」
サリンジャーは、手からバタフライナイフを5本、青年に向かって投げつけた。
それは見事に、青年の首に当たった。
青年の首は、血しぶきを上げて、飛んでいった。
青年「・・・・・・・・(死)」
サ 「どうだ、悪は必ずほろぶ! まいったか!」
どうやらサリンジャーは、悪人は殺すものだと思っているらしい。
サ「さて、この一万円札は、成功報酬としてもらっておこう。」
(おい! お前がネコババしてどないすんねん!)
サ「ん? 何か聞こえたかな? さあ、この一万円札で何を買おうかな〜♪」
サリンジャーは、一万円札を拾うと、はやて疾風のように去っていった。
その一万円札の行方は、誰も知らない。
〜第4話 完〜
ある日のこと、サリンジャーは、道を歩いていた。
すると、そこに一人の警官が近寄ってきた。
警官「ちょっと、君、署まで来てもらおう。」
サリンジャー(以下サ)「どうしてだ。」
警官「いや、先日あ○こ筋で、お前が市民の首を切ったという情報がある。」
サ 「(ぎくっ)何かの間違いでしょう。」
警官「いや、お前みたいに目立つ格好をしている奴を、見間違えるはずがない。さあ、署まで来てもらおう。」
警官は、サリンジャーの手をぐいと引っ張った。
サ「よ、よくも私の手を引っ張ったな!」
サリンジャーは、警官を蹴り飛ばした。
警官「くそっ、公務執行妨害でタイホする。」
サ 「なにっ、私のような正義の味方をタイホするとは、なんたる悪人! 成敗してやる!」
警官「何を言うか、さっさと署まで来い!」
サ 「サ動拳!」
しかし、警官はよけた。
警官「銃刀法違反だ! タイホする!」
サ 「なにっ、まだそんなたわけたことを言うのか!
注射針アタック!」
サリンジャーは、吹き矢の要領で、口から注射針を飛ばした。
それは、警官の左手をかすった。
警官「傷害罪だ!」
サ 「まだ懲りてないのか! サリンジャー
キィーック!」
サリンジャーは警官に、強烈なケリをくらわせた。
警官「ぼ、暴行罪だ! くそっ!」
警官は怒って、拳銃を取り出した。
サ「なにっ! 私に拳銃を向けるとは、なんたる極悪非道!
成敗してやる、サリン・クラッシュ!」
サリンジャーは、口から毒ガスを吐き出した。
しかし、警官はガスマスクをした。
警官「サリン取締法違反!」
サ 「まだ言うか、米軍核クラッシュ!」
サリンジャーの身体が、一瞬光ったかと思うと、あっという間に、彼の半径4km四方は、焼け野原となってしまった。
警官は、そのすさまじい温度に、蒸発してしまった。
サ「ハッハッハ。悪は必ず滅ぶ! まいったか!」
サリンジャーは、焼け野原の中で、一人笑っていた。
そしてサリンジャーは、疾風のように去っていった。
サリンジャーは、放射能の影響を受けなかった。
〜第5話 完〜