某首相の政策
TCT
この物語はフィクションですが、今後ノンフィクションになる可能性があります。
あるところに、Nという国があった。
そのN国では、Rという人物が首相をしていた。
Rは首相になったとき、まず予算を削減することから始めた。
しかし、事もあろうにRは、公共事業の予算を減らさずに、社会福祉の費用を削減するなどと言い出した。
もちろん反対はあったが、Rはその意見を無視し、無理矢理福祉の費用を削減した。
次にRは消費税を10%にした。「国家予算」を増やすためである。
これらのRの政策は、多くの批判にさらされた。「国民いじめ」とも言われた。
しかし、Rは反対意見を無視し、自らの政策を押し進めていった。
こうして政治を動かしてきたRだったが、Rはいきなり病に倒れてしまった。
そして、政界を引退せざるを得なくなった。もちろん政治家としての収入もストップした。
しかしRは、政治家時代に多くのお金を貯めていたので、はじめのうちはそれで生活できた。
そして、そのまま死ぬまで安定した生活を送れるはずだった。
しかし、緊急事態が起こった。
Rがお金を預けている銀行が、たてつづけに倒産してしまったのである。
その銀行の倒産は、Rが政治家時代にたてた政策の影響が強かった。
こうしてRは、一気にその財政基盤を失った。
そこで年金をもらうことにしたのだが、それは今の生活を維持するにはとても足りなかった。
そんなに年金が少ないのは、Rが社会福祉の費用を減らしたからだった。
しかも、自らが制定した消費税10%が、ただでさえ少ない年金を食いつぶしていった。
そのうちにRの病気はひどくなり、老人介護のサービスを受ける必要が出てきた。最近の若い者は、老人の介護に関心を示さないのだ。
しかし、サービスは容易には受けられなかった。やはり、社会福祉の費用が少ないからだった。
Rは事もあろうに、自分が行った「国民いじめ」で、「自分いじめ」を行ってしまった。それはまことに・・・と言わざるを得ないだろう。
1998年の、ステレオタイプな時に執筆。
当時は、議員年金なんてものがある事すら知りませんでした‥‥