DC用ゲーム『北へ〜White Illumination〜』プレイ後感想

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ご注意:この感想文は、完全にネタバレです。攻略法に触れている部分はありませんが、あらかじめご注意下さい。
    なお、文中で、ターニャのエンディングについて、ほんの少しだけ触れています。


☆作品DATA

作品名 北へ〜White Illumination〜
プロデューサー 広井王子
開発元 ハドソン
初版発行 1999年3月18日
ジャンル トラベル・コミュニケーション

あらすじ

 夏の北海道を訪れた高校2年生の主人公は、旅先で魅力的な8人の女の子と出会うこととなる。
 コミュニケーションを通して、彼女たちの心に秘めた想いを引き出すことができるのか?
 ヒット・メーカー広井王子氏がプロデュースを手掛け、キャラデザ&イラストに新進気鋭のNOCCHI氏を起用した話題作。

(宣伝文句より全文引用)

背景

 高校のクラブの合宿に行ったところ、某君がこのゲームを合宿場に持ってきたため、
 合宿に参加していた部員のほとんどがハマってしまったという、いわく付きのゲームです。
 私も染められてしまった1人で、そのため、こうして感想を書いています。 
 ちなみに僕は、めぐみ派です。

感想(各点数は、5点満点です。)

《背景設定:3点》

 さして目新しい設定ではないし、しかも少し強引ではないかとも思われる。
 だいたい、いきなり北海道行きのチケットを渡すような母親が居るだろうか?
 しかし、なかなかナイスな感じもあるので、まあ良い。それに、目新しさなど出尽くした感もあるし。

《人物設定:5点》

 悪くない。だいたいこの手のゲームは、かなり狙ったキャラを出すのだが、このゲームに関しては、かなり控えめに狙っているように感じる。
 それが良い。もっとも、女医とかコスプレとかロ○とかで狙っている部分はあるが、それでも結構おとなしいように感じる。
 つまり、「狙っている」感じが鼻に付かない、という事である。
 あと、このゲームのジャンルが「トラベルコミュニケーション」であるからかもしれないが、女の子たちのスリーサイズを敢えて書いていない所も
 悪くなかった。

《ゲームシステム:2.5点》

 このゲームでは、C.B.Sというシステムを採り入れている。つまり、女の子の会話の最中にXボタンを押すと、その会話に突っ込める
 (会話を進められる)というシステムである。
 これは結構悪くないシステムなのだが、いくつか欠点がある。
 1つ目は、慣れるまでは難しい、という事。特に、説明書の説明が分かりにくかったため、合宿でも、失敗する人が結構いた。
 2つ目は、いつでも突っ込めるわけではない、という事。プログラムの関係上、突っ込める場所は限られており、しかも
 間違った場所で突っ込んでしまうと、相手の女の子は、会話を再び最初から繰り返してしまう。(時間の無駄)
 だから、突っ込むのに少し躊躇する。しかし、突っ込まないと好感度は上がらない。
 ここら辺の欠点を、なんとかして欲しかった。

 あと、もう1つの欠点が、「セリフを飛ばせない」という事である。
 1度聞いたセリフなら、「設定」をいじることで飛ばすことができるが、たいていの場合、セリフを飛ばすことはできない。
 飛ばすときは、いちいち「設定」を開かなければならない。かなりの時間の無駄である。
 たしかに、セリフを飛ばせない事にするメリットはある。雰囲気は味わえるし、セリフが飛ばせないので言いたいことは確実に
 プレイヤーに伝わる。しかし、これは不親切すぎた。

《ギャグ性:3点》

 ほとんど選択肢に頼っている。まあ、真面目な作品なので、これに期待する必要はあるまい。
 「女の子と会話している」楽しみこそが、こういうゲームの本質なのだから。 
 
それに選択肢、面白かったし‥‥

《ストーリー展開:2点》

 ちょっと難あり。ちょっと選択肢を間違えると、小樽に行けなくなったり、美瑛に飛ばされてしまったりしてしまう。
 実際、美瑛の「めぐみルート」に飛ばされて泣きを見た人は多いようだ。(罠といえばそれまでかもしれないが‥‥)
 それに、奇跡的な偶然が多すぎる。まあ、飛行機で会った椎名研修医に大学でまた会う、という所までは良しとしよう。
 しかしその後、ターニャが倒れたときに偶然近くに椎名さんが居た‥‥となると、ちょっとうさん臭くなる。
 他にも、梢の間違い電話。だいたい、間違い電話の相手が北海道にいる確率は、かなり低い。その相手が札幌に居る確率となると
 なおさらである。普通だったら、東京か大阪あたりにかかるのがオチであろう。 

《エンディング:2.5点》

 僕が見たのは、めぐみと琴梨と由子とターニャのエンディングのみである。
 ターニャの「疲れているなら、一晩泊まってから‥‥帰れ。 そして‥‥隣の男に、ウォッカが好きか聞け。」
 が、とても最高であったが、それ以外は、平凡な感じだった。わざわざ長いスタッフロールを我慢してまで見る価値も
 あるように思えない。(他のエンディングに期待、といった所だろうか?)

 ちなみにこのゲーム。好感度が一定の線を越えないと、スタッフロールの後のエンディングが見れない。
 最初、好感度が低いときは「あれ? もう終わり?」という印象を受けたものだが、このシステムはあまり良くない。
 せめて目立つ所に、「好感度が低いと、スタッフロールの後のエンディングが見られません」ぐらいは書いた方が良い。
 なぜなら、そのために「なーんだ、キスで終わりか。」と思って飽きた人が、けっこう居たからである。

《総合評価:5点》

 さて、ここまで、かなりこの作品をけなしてきた。それぞれの点数も、あまり高くない。しかし、僕はこの作品が好きである。
 また、この作品を好きになってくれた人も、たくさん居る。
 それが「旅情」によるものか、女の子の魅力によるものかは、分からない。
 少なくとも、「旅情」に関して言えば、この作品は群を抜いている。実際、北へ行きたくなった人も、結構居るらしい。
 女の子の魅力も、控えめではあるが、これで十分であろう。実際、「琴梨ちゃん萌え〜」という方が存在する以上、
 問題のないレベルであろう。(実際、ネット上には、琴梨ファンクラブが1つ、鮎ファンクラブが2つ、薫FCが2つ、めぐみFCが1つ
 存在しているらしい。あと、葉野香FCとかターニャFCとか。)
 とにかく、「良い」と言える作品でした。

P.S:あと、何故か「美味しんぼ」な所や、風呂に入らないと回想できないという謎な部分も、僕は結構好きです。

以上。


ところで>めぐみの水着姿、あれは反則だと思いませんか?


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