「大変だ! 撃たれたところが火事になったぞ!」

「なにぃ、それは大変だ! せっかく秋葉原で買った、さくらちゃんの同人誌が燃えてしまうじゃないか!」

「このやろう。海上保安庁め、よくもやったな。こうなれば、ロケットランチャーで攻撃だ!」

「‥‥おい、外れたぞ。」

「なんだと! もう弾は無いぞ。」

「‥‥仕方がない。俺たちがオタクだとバレる前に、船を沈めてしまおう。そうすれば、同人誌は水に溶けて、証拠隠滅になる。」

「くそぉ、せめて日本で買った『kanon』をクリアしてから死にたかったな。」

「泣くな。俺だって、同人誌をまだ読み切っていないんだ。だが、オタクだとバレてしまうのは、もっと嫌だ。」

「仕方がない、せめて死ぬときは、このおジャ魔女ショーツを穿きながら溺れることにしよう。」

「じゃあ俺は、このコメットさんのキッズウェアーを着て‥‥」

‥‥こうして、不審船は大量の同人誌を積んだまま、自らの船底に大きな穴を開けたのだった。