パロディ擁護論  〜書きおろし〜(2001年7月6日)

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 いくら娘が可愛いからといって、その娘を家から出さず、箱入りに育ててしまうのは、あまりにも非常識なことといえる。
 どんなに可愛い娘(もしくは息子?)であっても、世間の荒波へ放ち、その洗礼を受けるべきではないだろうか?
 そしてその結果、娘がどんな子に成長したとしても、もはや親には何も言うことはできないだろう。

 それは、小説などの作品においても、同じだと考えることができる。

 いくら良い作品ができたからといって、その作品を自分の脳から出さず、自己満足に終わってしまうような人は、おそらく少ないであろう。
 おそらく、その作品の出来が良ければ、何らかの形で発表したいと思うのは、当然の欲求ではないだろうか?
 そしてその結果、その作品が、どんな批評や仕打ちを受けたとしても、もはや作者は、何も言うことができないだろう。
 なぜならそれは、作品を世に放った作者の責任だからである。

 作品を世に発表する限りは、必ず、その作品は何らかの批評を受けるだろう。
 また、娘を世間に放っても、その子はいくつもの経験をするだろう。ナンパだって、されるかもしれない。
 このように、世間に出た者は、世間の荒波に揉まれるのが原則である。

 小説なども然り。作品を世間に発表する(=世間に晒す)限りは、必ず何らかの批評や曲解、改変などを受けるものと覚悟して、
 世に放つべきである。
 いくら作者がそれを望まなくても、無駄である。これが現実であり、それを100%防ぐ手だては、存在しない。

 もっとも、「絶対に改変とかしないでね☆」とか言って出すのは自由である。
 心ある人はそれに従ってくれるだろうし、もし心ない人がそれに従わなかったとしたら、その人は人のお願いも聞けない屑だと
 言い切ることもできる。(当然、これはそう明記していない作品には当てはまらない。)

 しかし、そうでなければ、作品が酷評、曲解などされたからと言って、文句を言うべきではなかろう。
 それに、たとえ明記していたとしても、前述の理由で、やはり文句を言うべきではない。
 もともと、「改変とかしないでね☆」と言って作品を出すこと自体が反則なのだから。
 (ただし、作者をけなすような内容のものだったら、名誉毀損だからどんどん文句を言うべきかも。)

 それでは。


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