「黒い鳩」

第1話  「黒い虹」

黒い虹の見える空。今日は鳥が一匹、その空を飛んでた。黒いハトだった。他のハトに比べ醜かった。

「なんで君はその空を飛んでいるんだい?」僕が言う。  

黒いハト「ハトだから」

僕「あっそっか!」「でも?なんで空は黒いの?虹まで黒いよ」

黒いハト「私はね。黒いのよ!そんなことより、その事をちゃんと聞いてよ」

僕「なんで黒いの?ハトさん!」  

黒いハト「それでいいんだよ」「なんで黒いか知りたい?」  

僕「早く言ってよ」  

ハト「……実は………歪みが起きたんだ……空全体に……」  

僕「空全体?歪み…」「君にだけかい?他のハトは何にもなってないのに…」「どうゆうことだい?」  

ハト「そのとき…私だけ、あれを見てしまったの…」
  「そう…あれも黒かった。とても綺麗で私は見惚れてたの…」「とっても綺麗だった」    

地震が起る・ゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴゴッ    

ハト「いやだわ!あいつが来るわっ!早く逃げるのよ!」「早くっ」  

僕はまだその怖さを知らなかった…僕はその地震の起きた、はるか遠くの光景にハトがまだその怖さを知らないときのように                                   ただ美しさに見惚れていたのだった……

第1話 END


第2話  「黒い鳩の正体」    

ゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴッゴ………地震は続いている  

ハト「早く逃げないといけないってば」「なにしてるんだ君」  

僕「…………   なんて綺麗なんだ      」  

ハト「もう私はだまされない」  

ゴゴゴゴゴゴゴッゴゴッゴ  ドンドンドンドンッ…     迫る音  

だんだん近づいてくる  

ドンドンドンドンッ  

ハト「やばいっ」  

僕を連れて逃げようとする  

ハト「君、僕より遥かに大きいよ重くてもてない」「早く逃げないと行けないってゆうのに…」  

迫る音がもう直接、耳に聞こえている。もう山の響いた音ととゆうより山の声に囲まれたような強い音である。  

急に慌てたような視線でハトを見つめてこう言った  
「さっきまで綺麗だったのにあれはなんだっ!綺麗どころか黒く薄汚れた霧みたいなのが見える……」  

僕「そうかっ!ぼくが綺麗だと思って見てたのはあいつの姿自体でなくて黒く染まっていく虹だったんだ」「それにこんなに雨も降って……」  

雨がひどく荒れている   ビュンビュン   ビュンビュン  

僕の肩に雨があたった…   肩が黒く染まったように見えた  

僕「イヤー――ッ熱い熱いよーー」  

ハト「君もやけどしてしまったか……  そのうち体全身がやけどになってくるんだ」「私は5日まえに雨に濡れてこうなった」
  「はじめは羽にふっと触れただけだったのに…」  

僕「虹が黒いのはなんでか分かってきたぞ」「虹に灰がかぶさってるんだ…だけどなんの大量の灰なんだ…?」  

ハト「私は近くで見たわけじゃないんだけど、灰というより何か生きてるような…動いてるように見えたんだけど……」
  「きっと生き物が虹に付着してるのよ」  

僕「君は、はぐれたって言ったけど仲間と今一緒にいるよね」「多分わからないと思うけど仲間は何か知らないのかな?」  

ハトの仲間「オレたちはすまないが何も知らないんだ」「でも、虹がかかる前は空に沢山のコウモリが慌ただしかったのは知ってる」  

近くの僕の友達「コウモリはこの前、探険に行った比叡山に居たじゃない」「そのコウモリたちじゃないのかな?」僕に言う  

僕「確かあそこは昔から妙な噂が有ったよね…」  

ハトの仲間「山が空を黒くする…山の深くでそのとき青い光が生み出される…」

ハト「山は自然のものではない…………………か」

第2話 END


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